よりよい生き方を選ぶ自由
- 2017.01.31 Tuesday
- 10:35
巷でどんな本が売れているかによって、いまの世相がみえてくる。
いま移民の締め出しで大混乱に陥っているトランプ政権のアメリカでは、ジョージ・オーウェルの『1984』がアマゾンのベストセラーランキングで1位を獲得した。
ペンギンブックスは、7万5000部増刷したという。
では、いまの日本ではどんな本が売れているのだろう?
2016年の年間ベストセラーで私が気になったのは『置かれた場所で咲きなさい』ノートルダム清心学園理事長・渡辺和子◎著。
日販MARCの紹介によると「人はどんな境遇でも輝ける。置かれたところで自分らしく生きていれば、必ず“見守っていてくれる人がいる”という安心感が、波立つ心を鎮めてくれる…。読者の心に和らぎをもたらすメッセージ」とある。
さっそく読んでみると、心に響く。そして、心が潤う。
私にとって『1984』も『置かれ場場所で咲きなさい』も、どちらにも共通するテーマがあった。
それは自由。
絶対的管理社会下で自由を奪われた『1984』のディストピアの世界。
『置かれ場場所で咲きなさい』では、人はどんな場所でも幸せを見つけることができるというメッセージ。
渡辺和子さんが書く一連のエッセイには幾度となくヴィクター・フランクルの言葉が登場する。
ヴィクター・フランクルとはオーストリアの心理学者、精神学者で、第二次世界大戦中にユダヤ人であるがゆえにナチスによって強制収容所アウシュビッツに送られ、その経験を元に書いた『夜と霧』で有名だ。
ヴィクター・フランクルは言う。
どのような状況になろうとも
人間にはひとつだけ
自由が残されている。
それは
どう行動するかだ。
ヴィクター・フランクルは言う。
人間の自由とは
諸条件からの自由ではなく、
それら諸条件に対して自分のあり方を決める自由なのだ。
「諸条件に対して自分のあり方を決める自由」とはつまり、もし日常のことに置き換えるならば、忙しく時間に追われていて靴を揃えない自由もあるし、靴をちゃんと揃える自由もある。
あなたならどちらの自由を選びますか?
私たちにはどんな環境下であろうと、よりよい生き方を選ぶ自由がある。
私は日々のささやかなことでも、ベストチョイスではなく、よりよい生き方を選んでいきたいと思う。
- 幸せになる方法
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指導するとは?ーー「奇跡にレッスン」に学ぶ
- 2017.01.22 Sunday
- 07:42
NHK・BSの「奇跡のレッスン」が好きだ。
世界的に有名な一流指導者が日本にやってきて、子供たちにスポーツの指導を1週間するという番組だ。
学ぶべきことがとても多い。
今回はハンドボール。
http://www4.nhk.or.jp/wonderlesson/
今回舞台となっているその中学の監督は女性で、そこそこ優秀な指導者らしい。
テレビを見ているいると、彼女は非常に厳しく、同時に細かく子供たちに言葉で動きについてアドバイスしている。
ハンドボール大国・デンマークの育成責任者、ソーレン・シモンセンさん(46)はその監督が練習中に大声で怒鳴りながら子供達にアドバイスしている様子を見て、「何を子供達に言っているのか?」と質問した。
「サイドを開いてスペースを作れと言いました」
するとソーレン・シモンセンさんは、「いまは少し、子供達の様子をみてアドバイスを控えませんか? 子供達に自分で動きを考えさせましょう」
「奇跡のレッスン」を見ていると、日本では指導することを勘違いしている指導者が多い。
子供達にいちいち大声で怒鳴ることを指導だと思っている。
子供達にいちいち言葉で指導せずに何も言わずに「考えさせる」ことも指導なのだ。
わめきたてて、怒鳴って、叱りつけることを指導だと思っているひとがいる。
そうやって自分の存在をアピールして、「抜かりなく子供達をしっかり指導している自分」をまわりに認めてもらたいのだ。
親子関係もそう。
ほら勉強しなさい。ほらそろそろ学校に行く時間だから急ぎなさい。
わたしはなるべくそういうことを言わないようにしている。
言わなくてもちゃんと彼らは自分なりに考えているからだ。
言いそうになることが多々ある。
でも、ちゃんとその言葉を飲みこんでいる。
子供達に自分の頭を考えさせましょう。
- 子育て
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映画『君の名は。』を息子たちと観る
- 2017.01.18 Wednesday
- 06:19
昨年末、ファミリーサポートで2歳の女の子をお預かりした。
保育園には空きがなくて入れず、一時保育のため延長できない。
わたしが5時にお迎えに行き、ママが帰ってくる7時半までうちで預かって一緒に夕飯を食べる。
ママはお仕事をしているわけではない。
では、なぜ保育園なのか?
なぜ、帰りが夜の7時半なのか?
理由は、長女の看護。
お姉ちゃんが成育医療センターに入院している。いま6歳。小児がんだ。
新しい抗ガン剤を試しているさいちゅうで、その治療を受けるために岡山県倉敷から家族で引っ越してきた。
うちにお迎えにきたママがひとこと、わたしに言った。
「新しい抗ガン剤は、医者が言うにはそんなに悪くはないらしいです。
でも、がんを治すものではありません。
進行を止めているだけなんです。
だから、小学校の入学に向けて、いったん退院しておうちで看病してもいいですよ、と言われました。
でも、この時期はインフルエンザも心配で。
もし、あの子をうちに連れて帰ってきたら、一緒に何をしてあげたらいいと思いますか?
『これをしておけばよかった』というような、子育てで何か後悔しないための『やるべきこと』って何だと思いますか?」
その言葉を聞いて、ママは娘の死を覚悟しているのだ、と知った。
そう思うとどんな言葉をかけてあげたらいいのか。
「ただ、家族みんなで一緒に過ごすことなのではないでしょうか。同じ時間を一緒に過ごすこと、それが親子という関係性をつくっていくのだと思います。
いま入院しているから家族で過ごすことができません。きっと他の子たちと同じように、家で家族で一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、ママと一緒のお布団で寝たり。それだけでいいのかもしれません」
あたりまえのこと。
わたしたちは、そのあたりまえのことへの感謝の気持ちをいつも忘れてしまっている。
家族そろってふつうにご飯を食べること。
それがどれだけありがたいことか。
そのママがあらためて教えてくれた。
我が家は、お正月に車で新潟と秋田へ帰省し、雪遊びし、祖父母とおしゃべりしたりケンカしたりしながら、一緒にカッパ寿司に行ったりワイワイ楽しい時間を過ごした。
わたしは息子たちと、映画『君の名は。』を見てボロ泣きしました。
息子たちと同じ映画を観て、一緒の時間を同じ空間で過ごし、一緒に感動する。
これってなんて素晴らしいこと。
『君の名は。』は、『千と千尋の神隠し』に次いで歴代邦画2位。
勝因は、ヒットメーカー・
コラムニスト中森明夫が川村元気にインタビューした記事での言葉が胸に刺さった。
以下抜粋。
「
さて、次は息子たちと一緒に何を観ようか?
家族で同じ時間を過ごすことで、家族の集合無意識、たとえば同じ価値観のようなものが形成されていく。
良い映画、良い本、素敵な人、ワクワクする時間をいっぱい共有していきたい。
俗悪なものにかまけている時間はない。
- 子育て
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なぜ人工甘味料がいけないのか?
- 2017.01.17 Tuesday
- 10:31
週に1回、英語教室へ英語を学びに行き始めて約1年が経つ。
毎回さまざまなテーマが美人イギリス人講師に与えられる。
面白くてたまらない。
記事をあらゆる角度から観察し、わからない英語を調べ、情報を集め、自分なりの論点をまとめ、言いたいことを英語で言えるように準備する。
言いたいことの3割も言えない自分にいらいらする。
このストレスが私の英語力を上達させる、と信じるようにしている。
これまで扱われたテーマは、夫婦別姓の法的問題、昨年亡くなったアーティスト「プリンス」の才能、車内のメイク、イギリスEU離脱、パリのテロ事件で家族を失ったフランス人ジャーナリストがFacebookで発したメッセージなどなど。
学ぶべきこと、考えるべきことが多々あり、参加しているメンバーに大きな意見の違いが出て面白い。
私は学生時代に「英詩」のゼミをとっていたが、そのときの授業とまるで同じだ。
講師がファシリテーターとなって、メンバーの意見を引き出す。
自分の考えを人前で発言することがいかに楽しいかをそのときに知ったのだ。一度知ったらやめられない。
さて、本日のお題は「なぜ人工甘味料がいけないのか?」。
これもかつて、ジェイミー・オリバーが「fizzy drink(炭酸飲料水)」に砂糖税をかけようという大胆な提案が政府に出された、というテーマで英語教室で扱われた。
砂糖がいかに体によくないかという内容で話し合われ、以来、わたしは砂糖にまつわる情報をせっせと集めるようになった。
自分でテーマを決めて研究するようになると、自然に自分のところに情報が集まってくるようになるから不思議だ。
ある意味これも「引き寄せの法則」なのだろう。
なかには「清涼飲料水、大好き! ストレスの大きい頭を使う仕事だから、甘いチョコレートと甘い飲み物は脳の栄養のためにも欠かせない。それのなのに砂糖のなにがダメなわけ?? 砂糖税? とんでもない!」
とビタミンドリンク片手に怒り出す女性もいて、彼女は美容はもっぱら高級基礎化粧品に頼り、40歳をすぎてからその投資もあまり効果がないことに気づき始め今どうしようかと悩んでいる、らしい。
清涼飲料水1リットルにどれくらいの砂糖が含まれるかご存じだろうか。
生の果汁が入っていないジュースには、なんと角砂糖が20個も使われているのだ(缶コーヒーの6倍から7倍)。そのことを知る私には、彼女のような発想はむしろ世間を知るうえでの非常に面白いデータとしてストックされる。
自分とまったく異なる考え方が目の前にあると、非常にこころが躍る。
カロリーゼロの飲み物には人工甘味料が使われる。
たとえば、砂糖の200~700倍の甘味をもつサッカリン。カロリーゼロの炭酸飲料水に使われているアスパルテーム。砂糖から生まれたスクラロースは砂糖の600倍もの甘味がある。アセスルファムKも砂糖の200倍。
なぜカロリーゼロかというと消化もされず代謝もされず、排泄もされないから。肝臓や腎臓にどんどん溜まるいっぽうで、臓器の機能が老化して免疫力が落ちていく。
しかも急激に血糖値が上がると血管を傷つけ、老化を早める。しかもデブ体質になる。急激に血糖値が上がると急激に下がって低血糖になり、それがうつ状態とまったく同じ症状だという。
なんとおそろしい。
それを知っていたら、「清涼飲料水、大好き! 甘い飲み物は脳の栄養に欠かせない!」とはあれほど堂々といえないはずだ。
いまや日本国民の5人に1人が糖尿病と厚生労働省が発表し、世界でも糖尿病患者数は3億8679万人(2014年)。特に増加率は開発途上国は69%という恐るべき数字。
とくにヤバいのが高果糖コーンシロップ。コーヒーなどに入るガムシロップなどがよく知られているが、安くて甘みが強いので、コンビニやスーパーに並んでいる安いスイーツやお惣菜、冷凍食品などに大量に使われている。
子供たちには絶対に口にしてほしくない。
私がパンを家で焼いたり、おかずは全部自分で作ったり、自家製味噌を作ったりするのは、それが理由だ。
※参考資料『40歳からは食べてはいけない病気になる食べもの』南清貴◎著/KADOKAWA刊
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もっとも学びが得られること
- 2017.01.10 Tuesday
- 08:22
本を読んだり、テレビを見たり、映画を見たり、音楽を聴いたり、ネットを見たり、私たちはつねに外からの刺激を受けている。
体に生まれ持って備った免疫力が刺激によって活性化されるように、心も刺激によって活性化される。
たくさんの学びがあり、得られた情報から自分の中でカテゴライズしながら自分の中に取り込んでいく。
これら外からの刺激の中で、もっともたくさんの学びが得られるものがある。
それが人間だ。
しかも、嫌いなタイプの人間。
なんだそれ!? と、あまりにも自分の中の常識と異なる言動をとる人。
えっ、ひどい! と、あまりにも嫌味な言葉を吐く人。
このような刺激を与える人に対してムカっ腹が立つが、自分の中で反芻しながら、
「何を私に学ばせようとしているのか?」
と考えると、驚くほどたくさんの学びがあることに気づく。
というのも、まったく自分とはタイプの違う人間で、一緒にいるだけでムカっ腹が立つ人間が、なぜかいつも側にいて、いつもムカムカさせられる。
そこでハタと立ち止まり、「何を私に学ばせようとしているのか?」と考えると、じつはたくさんのことを私に教えてくれていることに気づかされる。
いいね、いいね、と安易に共感してくれる人などよりも、反面教師は多くのことを教えてくれるのだ。
おそらく心の弱い人(私の母親とか主人の母のようなタイプの人)は、永遠のループにはまってずっと相手の悪いことを怨みつらみのように悶々と悩み続けるのだろう。
だけど、このループを抜けるには、
「何を私に学ばせようとしているのか?」
と考えること。
すると、ループから抜け出すきっかけとなる。
なにしろ自分を見つめることが、「私」を自分の中から取り出す作業になるからだ。
本を読んだり、テレビを見たり、映画を見たり、音楽を聴いたり、ネットを見たりするより、たくさん、しかも無料で教材を提供してくれるそんな人間たちに心からありがとうを言おう。
ムカムカがスッと消え去ります。
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ウサギのように感覚を澄まして
- 2017.01.06 Friday
- 19:17
あけましておめでとうございます。
2017年が始まりました。
今年はさぼりがちだったブログをまた少しずつ、無理なく書き始めようと思っています。
いまのテーマは「ぬけめない」。
じつは、夫から「おまえのちゃっかりとした抜け目ないところが気に入っている」といわれた。
ぬけめないとは、辞書によると、手落ちが準備不足がないこと。
とくに利益につながる物事についてしっかり準備されていること。
抜け目とは、油断と手抜かり。
それがないというのは素晴らしい褒め言葉である。
しかし、一方では、自分の利益のためだけに行動するという狡猾なイメージも拭えない。
しかし、そのマイナスイメージを私の中から一掃する出来事が2つ立て続けにあった。
1つ。
テレビで観た白フクロウのドキュメント番組。
ナレーションで、「この厳しい自然界を生き抜くためには、強いだけでは難しく、抜け目なさが非常に重要である」と。
わたしは、やはりな、と膝を打った。
2つ。
最近、シートン動物記にはまっており、名作『カランポーのオオカミ王 ロボ』につづいて、
『ワタオウサギの子どもの物語 ラギーラグ』を読んだ。
ここでウサギの抜け目なさが刻々とシートンによって綴られていた。
なにしろ、ウサギには武器がない。
あるのは俊敏な足と耳と抜け目なさ。
(以下抜粋)
敵から自分を守るには、なによりもまず、近づく敵を前もって知ることが大切です。それには、第一に自分の感覚をたいせつに、みがくこと。第二に、お母さんウサギのモリーの意見をよく聞くこと、そして第三にカケスの警戒の鳴き声にいつも注意すること、とラグは学びました。
ね? ビジネス書にも通じる素晴らしい教えでしょ。
今年は酉年ですが、ウサギのように耳を澄ませて感覚をたいせつに、みがこう。
これがわたしの今年の抱負でごわす。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
あ、テーマは「からだ」でした。
わたしはいつもお正月には体調を崩します。
食べ過ぎ飲み過ぎには厳重注意したのですが、やはり新潟、秋田の大移動は堪えます。
熱を出し、弱っている前歯の歯茎がぷっくり腫れてしまいました。
くすんくすん。
からだは私の資本ですので、これからもますます大切にしていきたいと思います。
改めまして本年もどうぞよろしくお願いいたします。
- からだ
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